充実の施設で冬も楽しめる!御殿場「藤乃煌」宿泊体験レポート
藤田観光と言えば、庭園で有名な「ホテル椿山荘東京」や新宿歌舞伎町の新たなランドマークともなった“ゴジラ”の「ホテルグレイスリー新宿」はじめ日本全国で多数のホテル・レジャー施設を展開する企業です。その藤田観光がグランピング事業専門会社アウトドアデザイン&ワークスを立上げ、今年2つの大型本格グランピング施設をオープンさせました。
そのひとつが御殿場の「藤乃煌(ふじのきらめき)」。
グランピング居住空間としてはかなり広く、かつ高級ホテル並みの設備を備えた豪華キャビンが全20棟。ウッドデッキには屋外ジェットバス。さらに広い敷地内にはカフェバーやドッグラン、子どもと遊べるプレイエリアもあり、施設外に出ていかなくてもたっぷり楽しめる充実のスポットです。
「なので冬でも楽しめます!」というご案内をいただき、愛犬家の女性と一緒にドッグキャビンを取材してきました。
INDEX
御殿場IC、アウトレットからもすぐ
敷地面積は約5,000坪。まだオープンして半年ちょっとですが、アメリカの旅行雑誌最大手「トラベル・アンド・レジャー」でも「いま日本で泊まるべき4ホテル」として紹介されるなど、海外からも注目をされています。
場所は富士山のふもと、秩父宮記念公園のすぐ近く。
東名・御殿場ICからは車でわずか3分、また外国人観光客にも大人気の「御殿場プレミアムアウトレット」は車で5分ほどの場所です。
都内から公共交通機関を利用して訪れるなら、高速バスが便利でしょう。
小田急箱根高速バスなら、新宿高速バスターミナルから毎時間2本の便がでており1時間40分程(片道1,680円)。東京駅からでも1時間50分程です。高速バス東名御殿場に到着したら、そこからは無料送迎サービスを利用できます。
迎えにきてくれるのはヴィンテージカー、フォルクスワーゲン・タイプ2(ワーゲンバス)。あれ、よく見るとナンバープレートの数字が!
滞在中はこのワーゲンバスで、御殿場プレミアムアウトレットや近隣温泉施設などにも送迎してくれるそうです。
ホテル並みの豪華キャビン~ペット可&バリアフリーも
チェックインは「セントラルステーション」で行います。
宿泊するキャビン以外にも、カフェバーや貸切りで利用できるテントなど利用できる施設はいろいろあるので、マップを見ながらの案内。
キャビンの鍵は、見開きの木製ケースに入っています。
鍵の他には、栓抜きやマグライト、さらに鳥を呼び寄せるためのバードコールまで格納されていてとってもお洒落。キャビンでは、このケースごと棚に立てておけば、鍵の在処がわからなくなってしまうこともなく便利かも。
今回私たちが宿泊したのは、ドッグラン併設のドッグキャビンです。
コルゲート鋼板のコンテナと、木製の大きな扉やウッドデッキの組み合わせがなかなかスタイリッシュ。
大きな木製の扉を左右に開くと、そこは広いウッドデッキのアウトドアリビング。
テーブルにハンモック、さらに奥にはジェットバスや、本格的な大型ガスグリル台も置かれていました。
到着日は少し雨が降っていたので、開閉式の屋根が閉じられた状態でした。
そう、ここは雨でも屋外スペースが利用できるのです。
ウッドデッキの両脇には2つの屋内スペースがあります。
向かって右側が広いベッドルーム。
ダブルサイズのベッドが2台に、手前のソファもベッドになるようで、定員は最大で6名。
奥の段違いの棚には、プロジェクターやBluetoothスピーカー、セーフティボックスに冷蔵庫、ひざ掛けなどやトランプなども用意されています。
このタブレット端末からは、ドリンクなどのルームサービスやアクティビティの申込、さらにフロントへの電話もできます。室内およびキャビン周辺はWi-Fiも利用可能。
さらにワンちゃん連れOKのこのドッグキャビンには、犬用アイテムもたくさん。詳しくは同行者のレポートを参考にしていただけたらと思いますが、ケージやトイレシート、フード&水飲みボウルなど必要なものはひととおり揃っているので、リードやフードだけ持参すれば事足りてしまいます。
あまりの装備に同行者が驚いたほどでした。
反対側にも部屋があります。
こちらは雨天時などに利用するためのダイニングルームで、テーブルと椅子が4脚。ディナーは基本ウッドデッキですが、天気によってはこちらでいただくこともできます。この奥には洗面所とトイレ、シャワールームがあります。
他にも、キャビンのタイプはいろいろあります。
例えば上記写真は「藤乃スイート」(写真は施設提供)。なんと100平米以上のウッドテラスが併設されており、敷地内ではもっとも富士山に近い場所です。また入り口段差を解消し、車椅子対応のトイレを備えた「ユニバーサルキャビン」などもあり、高齢の親御さんを連れての旅行でも安心です。
◆カップル、又は小さいお子様連れのご夫婦向けの「デラックスキャビン」
定員:2~4名
棟数:10棟
仕様:1ベッド+ソファーベッド 30㎡+ウッドデッキ 計約54㎡◆ファミリー向け。幅広ベッドは4名様まで就寝できる「グランデキャビン」
定員:2~6名
棟数:8棟
仕様:2ベッド+ソファーベッド 45㎡+ウッドデッキ 計約69㎡◆広いウッドデッキが特徴。富士山の最前に位置する「藤乃スイート」
定員:2~6名
棟数:1棟
仕様:2ベッド+ソファーベッド 45㎡+ウッドデッキ 計約153㎡◆専用ドッグランを併設。室内でも愛犬と過ごせる「ドッグキャビン」
定員:2~6名
棟数:1棟
仕様:2ベッド+ソファーベッド 45㎡+ウッドデッキ 計約69㎡
各キャビンの写真や設備詳細は公式サイトでチェックしてみてください。
薪ストーブ設置の大型テントでカフェタイム
グランピングには大きく分けて2タイプがあります。ひとつはテント式、もうひとつはキャビン・コテージ式。アウトドア体験をより満喫できるはテントで、設備や居住快適性という点ではキャビン・コテージに分がありますが、冬は寒さの問題もあり後者を選ぶという方が多いでしょう。
「藤乃煌」もホテル並みの設備のキャビンですが、「グランピングというとフォトジェニックな大型テントも気になる」という方、ご安心ください。実はこんなノルディクスの大型コットンテントが敷地内に何張りも設営されているのです。
ただし現在は宿泊用ではなく、ゲストがくつろいだり子どもと一緒に遊んだりするための空間。
冬季はこのテントで、薪ストーブが体験できます。リクライニングチェアやコット(アウトドア用簡易ベッド)、ハンモックなどもありますので、ぽかぽか暖かいテントの中でのんびりくつろぐことも。
写真ではちょっとわかりにくいかもしれませんが、奥に小型の薪ストーブがあります。上には赤いやかんがかけられており、ストーブで沸かしたお湯でコーヒーを淹れて飲むことも。
テーブルの上には珈琲豆にミル、そしてドリッパー。クッキーまで用意されていました。テントは予約をすれば一定時間有料で貸切利用できます。
テントの中というのは、ちょっとした隠れ家感もあり居心地がいいもの。ただ夏の蒸し暑い時期にテント内で長時間過ごせるかと言うと難しいのも現実です。テントは内部温度をあげることは容易にできても、快適に涼しくするというのは結構難しいからです。
そう考えると、テント内タイムを楽しめるのも“冬グランピング”ならではの体験といえるかもしれません。
カフェバー&プレイエリアなど敷地内施設いろいろ
大型テントは他にもありますので、チェックインしたらまず探索を。
雨の日でも子どもと一緒に遊べる、遊び道具などが詰まったキッズ用のテントや、テーブルサッカーなど大型のゲームが設置されたスポーツゲームテントもあります。
夜には幻想的にライトアップされるこんな空間も。
さらに海外の絵本が並べられたこんなライブラリーテントも自由に出入りできるようになっています。食事のあと散歩がてら立ち寄ってみてもいいでしょう。
こんな場所でごろり寝転がれるチェアやソファに座って、のんびり夜を過ごすのもいいですね。
冬場は寒さが気になる方もいらっしゃるでしょうが、グランピングブームの中で注目されている「ノルディクス」は寒冷地の北欧で生まれたブランドで、そのコットンテントは雨や雪にも耐えられる保温性・透湿性に優れ、高い耐水圧の素材で作られています。
敷地内の一角にはこんなカフェバー「ビバレッジステーション」もあり、夜かなり遅い時間まで営業しています。
建物内でビールやワイン、ソフトドリンクなどの飲料とおつまみが販売されており、建物前のカフェスペースでいただいたり、キャビンに持ち帰って飲んだりすることもできます(ルームサービスで運んでもらうことも)。
夜には焚火台に火がともされ、いくつものランタンが揺ら揺ら。
クラフトビール好きの方なら是非こちらを。
種類はホワイトエールとブラックラガーの2種類。ホワイトエールをいただきましたが、香ばしく濃厚な味です。
ウクレレ作りや芦ノ湖でのマリンスポーツも
藤乃煌では、さまざまなアクティビティも用意されています。
各キャビンで行う工作・遊び体験もいろいろ。
たとえば「アロマスプレー作り」は、静岡ならではのお茶の芳香蒸留水を使用して自分好みのアロマスプレーを作るというもの。子どもと一緒にできるのは「蜜蠟キャンドル作り」。作ったキャンドルはさっそくディナーの時に楽しむこともできるそうです。
また近隣観光スポットで実施されるアクティビティにも申し込むことができます。
御殿場カルチャーファームでの体験乗馬や、箱根・芦ノ湖での釣りやカヤック、水上スキーなど。一部除きほとんどが通年実施となっています。
公式サイトには所用時間や料金の一覧もありますので、ぜひそちらをチェックしてみてください。
ダッチオーブン料理に本格オーブングリル
そしていよいよお楽しみのグランピングディナー。
ウッドデッキでは、スタッフの方がてきぱきと準備を進めていきます。大型のバーベキューガスグリル台に火をつけ、使い方をレクチャーして、こだわり食材についてもひとつひとつ丁寧に紹介してくれました。
食材も豪華!
巨大なお肉は骨付きリブロース。その形から「トマホーク」と呼ばれているそう。
エビなど鯛など魚介類も。
「フルサービス・スタイル」と「ハーフ調理スタイル」2種類のうち、今回選んだのは後者。
オードブルやスープなどメインコース以外はシェフが調理しキャビンにご用意します。メインの肉料理は、仕上げ前の状態でお届け。キャビン備え付けの本格的なガスグリルにてご自身で仕上げていただきます。藤乃煌お勧めのプランです。
塩コショウを振り、さらにハーブにオイルをつけて肉の両面に塗っていきます。
焼き加減もお好みで。
こんな巨大な肉をグリルした経験はほとんどないので頃合いがちょっと悩ましいのですが、試しに隅っこをカットしてみたところちょうどよいミディアムレア。
カッティングボードの上で骨を外し・・・
(肉があまりに美味しそうで、思わず笑みがこぼれてしまいます)
大きめに切り分けてトマホークステーキの完成!
いやー、食べ応えもあり甘味すら感じるお肉。
本当に美味しかった!!!
料理は他にもいろいろ。
内容は毎月変わるそうですが、12月はこんな感じ。
【サラダ】サニーレタス、トレビス、紫大根、黄人参・渦巻ビーツ、蓮根、牛蒡
【前菜】富士宮産「新富士鱒」静岡茶のマリネ、パテ・ド・カンパーニュー、トルティーヤのチップス(2種のディップ添え)
【ガーリックバゲット】
【スープ】丸鶏のスープ仕立て、仕上げに麺・生わさび・マッシュルーム
【メインディッシュ】魚介類盛り合わせ/ブラックアンガス純血100%牛肉トマホークのステーキ/焼き野菜
【デザート】リンゴのローストバニラの香り
ダッチオーブンのスープの中に浮かんでいるのは若鶏まる一羽分。
箸で簡単にほぐれてしまうほど柔らかく、スープも濃厚。
このスープは、最後に中華麺とマッシュルームを投入して〆にいただく用です。
目の前に広がるのは雨上がりの冬の夜空。
周囲を森林に覆われ、空の広さを実感できます。
今回は雲が広がっていてダメでしたが、明かりもほとんどないので、晴れている日であればきっと満点の星空が堪能できたことでしょう。
冬に気がかりなのはきっと外気温だと思いますが、
空気はもちろんひんやり冷たいものの、防寒しっかりしていれば大丈夫。
今回グランピング初体験だった同行者も、「こんな時期に屋外で楽しく食事ができるなんて」と予想外の快適さに驚いていました。
食事をしていると、先ほどのスタッフが再びやってきて、何やらセッティングを。
そう、焚火です。
ピラミッド型に組んだ木々の間から勢いよく立ち上る焔。
人はなぜ、揺れる焔に魅せられ目を奪われてしまうのでしょう。
遠くから眺めているだけでも何やら熱を感じるから不思議なものです。
〆の麺は、とろりとしたスープに麺がしっかり絡み、スライスして投入したマッシュルームの食感ともマッチ。
生でも美味しくいただける新鮮な地元産マッシュルームということで、残りはこのまま、軽く塩だけかけていただきました。ナッツのような香ばしさもあり最高のおつまみになります。
約3時間近くかけてのディナーは、量的にもかなりあり満腹!
これ以上何も食べられない!・・・と思いましたが
そう、甘いものは別腹です。
うっかり食べ忘れていたダッチオーブンの焼きリンゴを最後に発見し、グリルで温めなおして残さずいただきました。とろとろに柔らかくぎゅっと凝縮された味にノックダウン。
最後の最後まで、満足度の高いディナー内容でした。
キャビン前に設置された焚火台のまわりにスタッフが椅子とテーブルを用意してくれたので、食後はこちらでのんびりと。ディナー中は部屋の中でお留守番だったワンちゃんも連れてきて一緒にくつろぎます。
グランピングで焚火と言えば忘れちゃいけないのがやはりこれ。
マシュマロにチョコレート、そしてクラッカー。そうスモアこと焼きマシュマロです。
夜風感じながら浸かれるウッドデッキの屋外ジェットバス
この日最後の贅沢体験はこれです。
ウッドデッキに置かれた屋外ジェットバス。
二人一緒に入れるゆったりサイズのもので、シャワーもついています。
ここには洗い場はありませんが、すぐ横の扉を開ければシャワールーム。ジェットバスに湯を張りながら、先にシャワールームで身体を洗い、水着を着てジェットバスにドボン。
湯船の目隠しに使えるパーテーションもあり、ウッドデッキエリアは扉を閉めれば外からは覗かれなくなりますので、本人がOKなら水着なしでも。
カフェバーで買ってきたクラフトビールを飲みながらの屋外バスタイム。
天気がよく雲がなければ、テラス正面には大きな富士山が裾野を広げています。
冬ならかなり高い確率で富士山が見えるので(12月~2月にかけては90%の確率とのこと)、ぜひ水着持参して明るい時間帯に「富士山眺めながらの入浴」を楽しんでいただきたいところです。
部屋の中では、プロジェクターを壁に投影して映画などを見ることもできます。
このBenQのプロジェクターは単体でネット接続ができ、YouTubeやAmazonビデオで映像を見ることもできます。パソコンなどと接続するためのケーブルもすべて揃っていますので、観たい映画などを用意していってもいいでしょう。
大好きなママと一緒に旅行に来れ、やや興奮気味のワンちゃん。
ドックキャビンなので、部屋の中はベッドの上もソファも登ってOK。甘えっこで、夜はママと一緒のベッドに潜り込んで寝ていました。
好きな具材を挟んでホットサンド作り
翌朝には、夜とは別のスタッフがやってきて朝食のセットアップを。
黒い3段のストレージの中に、セントラルキッチンで調理されたお料理や珈琲などがぎっしり詰まっています。
テーブルの上にずらり並べられた彩りも鮮やかな朝食。
でもそこはやはりアウトドア体験。今回も最後の仕上げは自分たちで行います。
そう、朝のメインは「ホットサンド」。
女子キャンプでも人気のメニューですね。
ハムに蒸しチキン、チーズにトマトなど用意されている具材をパンに乗せ、ホットサンドメーカーでぎゅっと挟んで網の上にのせ、アウトドア用のガスバーナーで両面をこんがり焼きます。
キャンプ用の鍋に入っているコーンスープも目の前で温め、クルトン投入。
昨夜の雨の影響もあるのでしょう、澄み渡った朝の空気が実に爽快で、なんとも優雅な気持ちになれるグランピング朝食です。
ホットサンドもいい色に♪
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今回、初日は夕方まで小雨が降り続き、翌日も雲が広がってしまっていたので富士山は見ることができなかったのですが、それはまた次回のお楽しみにとっておけばいいかなと思います。
ちなみに天気が良ければ、この正面に大きな富士山が姿を現してくれるはずです。
富士山なしでも十分すぎるほどテンションあがりまくる空間でしたし、チェックイン時間の15時から翌日10時までずっと施設内だけで過ごしていましたが、全く飽きることはなく、むしろ「一泊じゃ時間が足りなすぎる」と感じた程でした。
今後利用される方はぜひ、早めにチェックインして施設内で過ごす時間をたっぷり確保してください。
ちなみに藤田観光は、五島列島でも新たなグランピング施設を2018年9月にオープンしました。
グランピング用テントとしても注目を集める北欧のアウトドアメーカー「ノルディクス」と提携したアジアエリアでは初の「Nordisk Village」です。
●Nordisk Village Goto Islands公式サイト
そのモデルルームも公開されています。
豊かな自然の美しさと世界文化遺産に指定された教会群でも知られる五島列島・福江島。
いつかここも訪れてみたいですね。